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うたう高砂 うたう高砂

能の中に出てくる「謡」をうたってみよう!
200を超える演目があると言われる能の中でも
人気の高い「高砂」。
この高砂から3曲を出題します。
一、口は横に引くイメージで、息は吸いすぎない。
一、身体を楽器にするイメージで。
一、音程・歌詞は喉で調節、音量はお腹で調節。

「高砂」あらすじ 「高砂」あらすじ

能「高砂」。
数ある演目の中でも「祝言性」の高い演目。
初番目物、男神物、世阿弥作。
前半では高砂の松の木陰を老夫婦が掃き清めている。
この二人は実は高砂の松と住吉の松の精。
「松の葉」とは「言の葉(和歌)」を指し、和歌が栄える世は天下泰平である。
という。また松は千年生きるといわれ、相生の松は夫婦仲の象徴でもある。
後半では月下に住吉明神が現れ、梅花を頭に挿し、舞を舞う。
さす手は悪魔を退け、引く手は寿福を抱く。
「千秋楽」は民を撫で、「万歳楽」は命を伸ばす。
相生乃松風の音に万民が楽しむと寿ぐのだった。

初級 高砂 千秋楽 初級 高砂 千秋楽

「千秋楽」は能楽公演の最後に謡われる
「附祝言」の一つです。
能の映像に自分の謡をいれて
「地謡」を体験してみましょう。

「千秋楽」完成ver. これを目指しましょう。

「千秋楽 カラオケver.」「謡」が抜けている箇所を謡ってみよう。

歌詞を見る

千秋楽は民を撫で(せんしうらくはたみをなで)

萬歳楽には命を延ぶ(まんざいらくにはいのちをのぶ)

相生乃松風(あいおいのまつかぜ)

颯々の聲ぞ楽しむ(さつさつのこえぞたのしむ)

颯々の聲ぞ楽しむ(さつさつのこえぞたのしむ)

「林宗一郎より謡い方アドバイス その1」

中級 高砂 待謡 中級 高砂 待謡

時代劇の結婚式でみかける「高砂や〜」の
フレーズの原点がこちら!
能では通常「ワキ方」が謡います。
最後は4人でしっかり囃子に合わせて
朗々とうたってください。

「待謡」完成ver. これを目指しましょう。

「4人でトライ!高砂・待謡 カラオケver.」

歌詞を見る

高砂やこ乃浦舟に帆を上げて(たかさごやこのうらぶねにほをあげて)

こ乃浦舟に帆をあげて(このうらぶねにほをあげて)

月もろともに出汐の(つきもろともにいでしおの)

波乃淡路乃島影や(なみのあわじのしまかげや)

遠く鳴尾の沖過ぎて(とおくなるおのおきすぎて)

はや住吉に着きにけり(はやすみのえにつきにけり)

はや住吉に着きにけり(はやすみのえにつきにけり)

「林宗一郎より謡い方アドバイス その2」

上級 高砂 四海波 上級 高砂 四海波

能楽界での慶事の際は必ず謡われる「四海波」。
今回はシテとワキの掛合い→四海波の地謡→地謡・シテの掛合いという
流れのシテ→地謡→地謡の部分を謡う、
かなり難易度の高いカラオケになっています。
さらに最後の地謡は囃子とも
「拍子合わず」で進んでいきます。
一人でトライするも良し、
友だちとトライするも良し。挑戦者、求む!

「四海波」完成ver. これを目指しましょう。

「うたってみよう!四海波・シテと地謡 カラオケver.」

歌詞を見る

シテ:光和らぐ西乃海乃
(ひかりやわらぐにしのうみの)

ワキ:彼處は住の江(かしこはすみのえ)

シテ:ここは高砂(ここはたかさご)

ワキ:松も色添ひ(まつもいろそい)

シテ:春も(はるも)

ワキ:長閑に(のどかに)

地謡:四海波静かにて国も治る時つ風 
 (しかいなみしずかにて くにもおさまるときつかぜ)
 枝を鳴らさぬ御代慣れや(えだをならさぬみよなれや)
 あひに相生乃松こそめでたかりけれ
 (あいにあいおいのまつこそめでたかりけれ)
 げにや仰ぎても事もおろかやかかる代に
 (げにやあおぎても こともおろかやかかるよに)
 住める民とて豊なる君乃恵みぞありがたき
 (すめるたみとてゆたかなるきみのめぐみぞありがたき)
 君乃恵みぞありがたき(きみのめぐみぞありがたき)

ワキ:なほなほ高砂の松のめでたき謂はれねんごろに
 (なおなおたかさごのまつのめでたきいわれねんごろに)
 御物語り候へ(おんものがたりそおらえ)

地謡:それ草木心なしとは申せども
 (それそおもくこころなしとはもおせども)
   花実の時を違へず(かじつのときをたがえず)
 陽春の徳を具へて南枝花始めて開く
 (よおしゅんのとくをそなえて なんしはなはじめてひらく)

シテ:然れどもこの松はその気色
 (しかれども このまつはそのけしき)
 とこしなへにして花葉時を分かず
 (とこしなえにしてかようときをわかず)

地謡:四つ乃時至りても(よつのときいたりても)
 一千年の色雪の中に深く(いっせんねんのいろゆきのなかにふかく)
 または松花の色十廻りとも言へり
 (またはしょうかのいろとかえりともいえり)

シテ:かかる便りを松が枝の(かかるたよりをまつがえの)

地謡:言の葉草の露の玉 心を磨く種となりて
 (ことのはぐさのつゆのたま こころをみがくたねとなりて)

シテ:生きとし生けるものごとに(いきとしいけるものごとに)

地謡:敷島のかげによるとかや(しきしまのかげによるとかや)

「林宗一郎より謡い方アドバイス その3」

能 高砂(後シテ) 能 高砂(後シテ)

出演 出演

シテ(尉・住吉明神) 林宗一郎
ツレ 樹下千慧
ワキ 有松遼一
ワキツレ 岡 充
ワキツレ 原 陸
囃子方(笛) 杉 信太朗
囃子方(小鼓) 成田 奏
囃子方(大鼓) 谷口正壽
囃子方(太鼓) 中田弘美
後見 味方 團
河村浩太郎
地謡 河村和重
河村晴久
浦部幸裕
橋本忠樹
河村和貴
河村和晃
河村紀仁

製作:
Produced by Naoko Hayashi
Directed by Hiroyuki Matsuno
Cinematography and Editing by Eikyo Video